星野メトメの本棚

詩とか小説とか勉強研究とかをこの本棚に置いときます。存在を知ってくれただけでも本当に嬉しいです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

心身問題の哲学史 20世紀~現代(主に20世紀)

19世紀までの機械論よりの心の哲学の流れから、20世紀になり現象に対する内観性(自分の精神活動を観察することで得る主観的な性質)と、客観的な観察による物質性(質量があり、五感で感じ取れる性質)に着目し、それらを直接因果的に結びつける説明の不備を指…

心身問題の哲学史 ~19世紀

今日から、心の哲学、または相対論の哲学に焦点を当てて記事を書きたいと思います。 心身問題を扱うにあたってまずはそれを巡る哲学史をおさらいします。以下 心身問題(mind-body problem)とは、不可視の心と可視の身体との関係を哲学的に問う問題です。 そ…

分析哲学による心の難解さの示唆

私と他者は、知覚において同じ視点状況に立てば同じかもしくは近い景色を見ることができる。 また、私と他者は、感覚において同じ身体状況になることによって同じ感覚を体験できる。 しかし、必ずしもそうではない。 私たちは同じ対象に様々な感情を抱く。あ…

眺望論

前回の続き 知覚は複眼的で不完全なものである。知覚対象は視点状況によって人により異なり、ゆえに観察が可能。カメラでも使って共有すれば良い。 感覚は単眼的で完全なものである。寂しいという感情は自己完結していて他者から観察不可能。原因はわかって…

知覚と感覚の境界が行き着く二元論

塾の生徒全員分のテスト対策プリントを作ってへとへとながら、アドレナリンかドーパミンか、神経伝達物質の活性化が記事作成の原動力となったようで、連日の投稿です。 しかし印刷機は難しいです。今日冊子として印刷する方法を学びました。これで製本ができ…

知覚と感覚の共有性質の虚構性

ご存知でないとおり僕は塾講師のバイトをやっているのですが、定期テスト前ということで明日日曜日に塾を開ける許可を室長にもらい、生徒の自習スペースを確保した次第です。 テスト勉強頑張ってほしいですね。 ということで以下本題です。 知覚報告(世界記…

世界記述で交わる私と他者

最近は塾講師のバイトに精をいれて多忙なため8月はあまり本を読めなかった。積読が溜まっていきます。 言言肺腑を衝くような本が積読の中に身を潜めていればいいのですが では以下どうぞ 世界風景について以前紹介した。 https://chili-jgn.hatenablog.com/e…

彼岸の時間《意識の人類学》の論評

この著書は、独特な宗教儀礼、ドラッグ、多様な宗教観、シャーマ二ズムなど一般的にあまり知られていない文化をフィールドワークや文献研究した著者が、その根底にある時間概念をテーマに、意識とは何かを考察したものである。 農耕文化は毎年同じ時期に同じ…

タイムスリップについての草稿

原稿用紙84枚分の小説を3日で書くという個人的な偉業に気分が良いので、草稿を残します。 タイムスリップができたとしよう。僕は過去へ行くことができる。恐竜が好きだから白亜紀にでもいって、友達になれそうなストルティオミムスに会いに行こう。 さあ着き…

純粋な実在論的世界を顕現させる世界霊魂

この記事を作成するにあたりまず初めに述べなければならないことは、ここで書かれていることが『心と他者』(野矢茂樹著)の第二章(全第三章からなる)の要約、思考整理という役割を持っており、この記事において私の考えは5%にも満たないということである。そ…

ラプラスの魔物が掴めなかった自由

超自然的な自由意志による自殺について https://chili-jgn.hatenablog.com/entry/2018/09/10/ という記事で「自由」についてひとつの結論を出した。 自然的な死も、自由意志による死も、害悪からの自由という、同一の自然法則にしたがって生ずるのである。 …

時が「流れる」とは-私と時-

「時が流れる」とはどういうことか そもそも流れは川の流れのように速さを表す言葉だから、それを時に当てはめるのはおかしい。 時が「流れる」とは比喩的な表現ということになる。 ではそのような比喩的な表現を用いて我々は時の何を伝えたいのかというと、…

悟りの境地と自我の崩壊

先日1人の友人を亡くしたことを思いつつ、彼の好きな論理哲学論考の浮遊した文字を目で追いつつ、あーそういえばすでに知り合いを2人自殺で亡くしたなと思いつつだからかもしれない。改めて『彼岸の時間-意識の人類学』を読み考えたことをここに綴る。 シピ…

砂漠の喫茶店

私は砂漠化した大地と思しき土地を歩く。そして干からびた植物を見てはため息をつく。何回目だろうか。私の目には食べ物と思しきものが全く見えない。「おいそこの君」 左方から私を呼ぶかのような声が聞こえる。「君だよ君!」 一瞬首を捻るが、そこに人間…

心の中の住人

終わりのない心朧げな境界を見ることも感じることもできない心空疎で、体の中にとどまらない心 そんな朦朧空間の中で、感情は明滅を繰り返す恋心、劣等感、葛藤、まるで四季折々の天候のように 終わりのない心降誕と寂滅の心終焉が訪れることはなく広がり続…