星野メトメの本棚

詩とか小説とか勉強研究とかをこの本棚に置いときます。存在を知ってくれただけでも本当に嬉しいです。

心の中の住人

終わりのない心
朧げな境界を見ることも感じることもできない心
空疎で、体の中にとどまらない心

 

そんな朦朧空間の中で、感情は明滅を繰り返す
恋心、劣等感、葛藤、まるで四季折々の天候のように

 

終わりのない心
降誕と寂滅の心
終焉が訪れることはなく広がり続ける人の心のしたたかさ

 

終わりのない宇宙
途方もなく遠い境界を見ることができない宇宙
未知に満たされ、空疎な宇宙

そんな未知の空間の中で、星々は明滅を繰り返す
新星、吸収、衝突、まるで感情の起伏のように

 

終わりのない宇宙
降誕と寂滅の宇宙
終焉が訪れることなく広がり続ける未知の宇宙のしたたかさ

 

心は宇宙?
宇宙は心?


どちらにしても、無限に広がる心と宇宙には親和性があってもおかしくないだろう?

 

ミクロコスモス、それは人間の精神をも意味する
マクロコスモス、それは地球を覆う宇宙を意味する

 

心がどこにも見当たらないのは、心の次元が違うからかもしれない
宇宙が未知で満たされているのは、宇宙の次元が違うからかもしれない

 

心は宇宙
宇宙は心

 

宇宙は超越者の心の中で、僕たちには彼は見えない
僕たちは超越者の心の中の住人なのだから

 

ありえないとは言わせない
そう考えてみてもいいではないか
この世界は可能性に満ちているのだから

 

 

 

2019年度第十五回現代詩賞応募作品