抗うつ薬による行動の変化とその影響
こんにちは。
休学中の僕には関係がない夏休みですが、にもかかわらずろくに勉強も遊びもほとんど何もせず後悔したまま9月を迎えました。
秋学期から復学しますが、ぐーたら生活の影響を引きずっているためちゃんと通えるか今から心配です。
私事は置いておいて、今回は各地で懸念されている抗うつ薬による行動変化について、新聞記事や論文を参考に考えていきたいと思います。
抗うつ薬といえば、現代最も主流なのはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というものです。
幸せをもたらす神経伝達物質であるセロトニンは、生成されると受容体に取り込まれて濃度が減ってしまいます。そこで取り込みを阻害すれば濃度は増え、幸せをより感じるようになり、うつ状態を治してくれるんじゃないかという大雑把に言ってしまえば単純なメカニズムをもった薬ですが、実はSSRIにはまだ不明な点も多々あるのです。
そこで見てもらいたいのが2010年のこの記事。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2907/?ST=m_news
アメリカで抗うつ薬、主にSSRIが捨てられ、それを摂取したエビに行動の変化が起き、外敵に晒されるようなところに無防備に行ってしまうことが増え、捕食されることが多くなったという現象が観測され、それを確かめるためにプロザックというSSRIを使って実験したところ、本当にそうなってしまったという、それがこの記事の概要です。
本当にSSRIによって行動の変化が引き起こされるのか、それは同様の研究が日本でもされ、2011年に英国オンライン科学雑誌「molucular brain」で論文が公開されています。この実験では、マウスを使ったようです。https://www.jst.go.jp/pr/announce/20110316-2/index.html
こちらの研究の概要は、1ヶ月間フルオキセチンというSSRIをマウスに投与したところ、投与していないマウスに比べて、広いスペースの中央を避ける、明るい場所を避けるといった不安様行動が増え、それは断薬後も続いたというものです。
ちなみに、フルオキセチンとプロザックは主成分とジェネリックの違いで、同じ薬です。日本では禁止されています。
エビの場合は、薄暗いところを元々好むのに、プロザックの影響で明るいところに出るようになってしまった。
マウスの場合は、明るいところを逆に避けるようになった。
やっていることは真逆ですが、普段しない行動が増えた、という点では同じみたいです。
しかし、マウスは夜中に活動しているイメージがありますよね。だとしたら、エビが明るいところに出るのは確かにおかしいけど、マウスが明るいところを避けるのは当たり前なのでは?と疑問が湧きました。
これについて調べてみると、ネズミというのは夜行性というわけでもなく、明るいところだと視界が悪くなるなんてこともないみたいです。
ただ外敵から身を守るために静かな夜に行動することが多くなっているだけで、襲われる心配がなければ昼間でも普通に活動するみたいです。
なるほど、SSRIにより異常行動が増えるという実験結果がよくわかりました。
こうなってしまう鍵は、SSRIによる神経幼若化にあると、日本の研究チームは観測結果を元に言っています。
詳しいメカニズムはまだわかりませんが、SSRIによる神経幼若化が原因だとすれば、人間にも起こり得るものですし、人間もSSRIの過剰摂取で異常行動を取ることは十分にあります。自分自身経験済みなので
今回紹介した研究からすでに7年は経っていますが、何か進展したのですかね、関連論文を探してみたいと思います。
SSRIによってセロトニンを増やすことは良い側面だけではないこと、私たちは念頭に入れて、投薬治療に当たる必要がありそうです。
最後に、こんな面白い記事を見つけました。
https://wired.jp/2009/03/03/抗うつ薬:性機能だけでなく「恋愛能力」にも悪/
更新が遅くなりすみません。
ではまた