精神展開薬(幻覚剤)まとめました。
2018/07/27
・麻薬→麻酔生鎮痛薬(医学上、法律上の正式名称)に変更
まだ添削されていないため、間違っている部分があるかもしれませんが、大きな間違いは見当たらないと教授から言ってもらえたので、公開します。
細かいミスは見つかり次第編集したいと思います。
①精神展開薬の作用
②どの神経伝達物質レセプターにどう作用するか
④植物か人工的に合成されたものか
⑤植物ならどの民族の文化で使われてきたか
◆メスカリン
①視覚的感覚的幻覚
②ドーパミン受容体作動
④植物。ペヨーテ、サンペドロなどのサボテン
⑤中央・南アメリカ先住民。代表的なのはウイチョル族
①感覚的幻覚、神秘体験
②セロトニン受容体作動
④人工的に合成。アルバートホフマン
◆ケタミン
①解離性幻覚視覚的、体外離脱体験
②NMDA受容体阻害
④PCP(フェンサイクリジン、麻酔薬の一種)の代わりに人工的に生成
◆DXM(デキストロメトルファン)
①解離性幻覚、体外離脱体験
②セロトニン受容体阻害、α1(アドレナリン)受容体作動(交感神経作動)、NMDA受容体阻害(2015年発見)
市販薬含まれる麻酔生鎮痛成分について
※コデインはモルヒネより弱いがμ-オピオイド受容体と親和性があり、鎮静作用をもたらす
◆シロシビン
①視覚的幻覚、神秘体験
②セロトニン受容体作動
④様々なキノコに含まれる(マジックマッシュルーム)
⑤メキシコやバリ島のシャーマニズム
◆DMT(ジメチルトリプタミン)
①視覚的幻覚、神秘体験
②セロトニン受容体に作用(MAOIとの併用でセロトニンの吸収を阻害する)
③セロトニンはトリプトファンから合成されるが、DMT自体が松果体で作られる神経伝達物質。
④一部の植物やキノコ、ヒトを含む動物も体内にもっている。
や
◆MDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン)(俗名:エクスタシー)
①感覚的幻覚、多幸感、親近感、共感覚
②モノアミン系受容体阻害、Gタンパク質共役受容体阻害
③モノアミン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン等レセプターの総称)
オキシトシン(→システイン、イソロイシン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、ロイシン、グリシンの9つのアミノ酸が結合して構成されたペプチドホルモン)
◆ハルミン
②モノアミン系受容体阻害(基本的にDMTと併用)
④動植物含めヒトの生体内に存在(トケイソウなど、日本に自生している植物にも含まれている)
⑤アマゾン部族の儀式、イランでは薬用植物として使われてきた
◆ハルマリン(テレパシン)
②モノアミン系受容体阻害
④動植物含めヒトの生体内に存在
⑤アマゾン部族の儀式
◆THC(テトラヒドロカンナビノール)
①多幸感、幻覚は稀
②カンナビノイド受容体に結合
③アナンダミド
④大麻樹脂
⑤薬理作用としては紀元前の中国で手術用の麻酔薬目的で使われ「麻酔」という言葉が生まれた。
その後世界的に広まり、各国で医療目的、嗜好品として使用されるようになったが現在の麻酔薬と大麻は関係がない。
◆カヴァラクトン
①鎮静効果、酩酊感、催眠
②不明
③不明
④カヴァという植物
⑤南太平洋諸島でカヴァが宗教的儀式に用いられた
◆イボガイン
①低量で覚醒作用、高量で幻覚作用、アルコール依存症の治療に有効
②ニコチン性アセチルコリン受容体、モノアミン系受容体、Gタンパク質共役受容体など、多数のレセプターに作用
③②のため、考えられるアミノ酸も複雑多数、MDMAに近い作用機序をもつため、エクスタシーと扱われることも
④イボガという植物の根皮に含まれる
⑤アフリカの先住民が儀式的に用いていた
◆作用による精神展開薬の分類(重複しているものももちろんあります)
視覚的幻覚:メスカリン、シロシビン、DMT
感覚的幻覚:メスカリン、LSD、MDMA
解離性幻覚:ケタミン、DXM
共感覚:MDMA、イボガイン
MAOI:ハルミン、ハルマリン
その他:THC(多幸感)、カヴァラクトン(鎮静)
◆神経伝達物質レセプター作用による分類(重複しているものももちろんあります)
ドーパミン受容体:メスカリン
NMDA受容体:ケタミン、DXM
アドレナリン受容体:DXM
Gタンパク質共役受容体:MDMA、イボガイン
モノアミン系受容体:ハルミン、ハルマリン、MDMA、イボガイン
ニコチン性アセチルコリン受容体:イボガイン
不明:カヴァラクトン
恐らくこれをみてもよく分からない人が多いと思うので、それぞれの精神展開薬に焦点を当てた記事をしばらく書いていきたいと思います。