星野メトメの本棚

詩とか小説とか勉強研究とかをこの本棚に置いときます。存在を知ってくれただけでも本当に嬉しいです。

臨死体験のDMT仮説について

実は今変性意識研究者の中でホットなテーマである臨死体験、今回はそれについて記事を書きます。

鬱状態が酷くてあまり深い考察はできませんが、ずっと引きこもっていてもそれはまた心がすり減るので、記事を書きます。

書き終えれば、達成感のおかげで少し楽になるかもしれません。

 

 

死というのはいつまでも人間にまとわりつく不安要素でもあり、死が訪れるという事実は誰も考えたくないものだと思います。

 

「死んだら私の存在は消される」

「そもそも死ぬ時の生理的苦痛が怖い。安らかに死にたい」

 

そういった死への恐怖は常にあるものです。

ハイデガー実存主義者、精神革命のためにヒトラーを利用したともいえる人間なので、死について考えています。

ハイデガーによると、死という最後が私たちの時間感覚を規定し、「追い越すことができない」という特徴をもっているようです。

 

死がそれほど恐ろしく、私たちに影響を与えるものだからこそ、死の直前から生還した臨死体験者には価値観・人生観・性格の変化が訪れることがあります。

なぜなら、臨死体験者の多くは神秘的な特殊な体験をしているからです。 

 

臨死体験の事例と一人称的視点の分析が詳しく書かれた論文です。

 

臨死体験による一人称視点の死生観』 岩崎美香

http://jatp.info/_src/456/13-1-09iwasaki.pdf

 

(というかこの人は僕の大学の先輩にあたる人だ…日本で臨死体験のような変性意識の心理、哲学的な視点からの研究に特化しているのは私の通っている大学の大学院しかないと認識していますがやはりそうなのか)

 

臨死体験者は幻覚か精神展開か、何か神秘的な体験をすることがあるようです。

 

世界各国で共通し、事例報告が耐えない臨死体験ですが、色々な説があります。

 

今回はメキシコのリック・ストラスマン博士のDMT仮説を少し紹介します。

もともと、『DMT: The Spirit Molecule』という著作で発表され、最近のDMTブーム?のせいか有名になった本です。

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https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/0892819278/ref=tmm_pap_title_0?ie=UTF8&qid=1528437969&sr=8-1

 

僕もまだ全ては読んでいませんが、鬱状態のせいで気力がなくて…kindle版が安く、寝ながら読めるので少しずつ読み進めます。

日本語訳は出ていませんが、そんなことは関係ない。興味ある人は読むべきだと思っています。

 

すごく簡単に概要を説明します。

 

低酸素状態、つまり死の間際になると、脳の松果体というこれまた謎多き部位からDMTが生成されます。

DMTというのは植物やヒキガエルだけじゃなくとも生き物なら体内で生成するものなんですね実は。

そして臨死状態で生成されたDMTはセロトニンレセプターだけではなく、σ1レセプター(これまたモノアミン受容体と違い謎多き受容体)に作用し、ある種の保護機能として、臨死体験を引き起こしているようです。

DMTには普段私たちが不必要だとして脳がシャットアウトしている莫大な情報を認識できるようにする機能があるとも言われていて、その結果、まさに見えないものを見せてくれる精神展開作用で、臨死体験が引き起こされているのではないかと。

概要はこういうことです。

 

もしかしたら、臨死体験=DMT体験=瞑想の悟り体験、全て手段は違えど同じところに辿り着くものなのかもしれません。

 

DMTと瞑想の一人称的記述については別記事で載せた石川教授の論文を見るとわかりやすいです。

相模女子大学の石川勇一教授の論文『アマゾン・ネオ・シャーマニズムの心理過程の現象学的・仏教的研究』より引用 

URL:http://www.sagami-wu.ac.jp/ishikawa/_src/35/amazon20neo20shamanism20paper20ishikawa.pdf )

 

今回はこのくらいにします。

共通してみえる神秘的世界、それが証明されたとして、その神秘的世界の意味、構造について解釈することが僕が1番研究したいことだったりします。

 

(うちの大学、日本トランスパーソナル学会の本部でもあるらしく、設立者である心理学科のM先生とお話したいなぁ…あわよくば学会に入れさせてもらいたい)