認知行動療法-国立精神・神経医療研究センター講演会
6/2、国立精神・神経医療研究センターで開かれた市民開講講座に参加させて頂きました。
今回はその講座の一つのテーマである認知行動療法について学んだことをフィードバック、そして独自解釈しようと思います。
まず、人間には必ず試練が与えられます。試練なくして人は前に進めません。
試練には大きくわけて2種類あります。
①条理問題(自分に原因がある)
②不条理問題(災害など、自分ではどうしようもないもの)
どちらの問題にせよ私たちは向き合わないといけません。問題に向き合わないのはただの「逃避行動」です。
条理問題の場合、例にしやすいのは入学試験。大学に行きたい意志をもち、合格すれば前進・成長し、勉強をやめてしまうと逃避になり成長しません。
では、努力が実らなかった場合はどう考えればいいのか。
失敗した事実は変わらないので、それを受け入れるしかありません。そして新たな環境へ前進・成長するのです。
不条理問題でも同様、例えば大災害を生き延びれば成長、家族や自分の死は受け入れるしかありません。
家族の死にショックを受け、後追い自殺してしまうのは、事実を受け入れられない、つまり逃避になります。
これらの条理不条理問題は、自らの行動、思考で立ち向かわなければならなく、行動と思考の原動力になる心に目を向けると、「感情問題」と総括できます。
そこで重要になるのが心の免疫機構です。
心の免疫機構が不安定の場合、試練に対してうまく対処できません。
免疫が働きすぎると、過剰反応から不安に襲われます。
免疫が働かないと、内外から責められ、酷く落ち込むことになります。
僕自身はストレスチェック検査の結果からもわかったように、免疫が異常なほどうまく働きません。某大学の模試で全国3位だったにも関わらず落ちています。
今となってはどうでもいいことですが
このような、不安、落ち込みといった感情を読み取ることで、自分自身で心の状態に気づくことができます。
不安、落ち込み、といったネガティブ感情は、実は心の叫び、アラームとして機能しているのです。
不思議なことに、ポジティブ感情はネガティブ感情よりも少なく、それも儚く消えてしまうものばかりです。
そこから、ネガティブ感情がいかに大事なものかわかります。
街中を見回してみると、楽しくなさそうな人間のなんと多いこと。楽しそうに笑っているのは、対人関係から生まれた感情で、1人でいる人間はどこか考え込んだ様子で、そこにポジティブなオーラは感じ取れません。
むしろ、1人なのにニタニタ笑っている人がいたら、危ない人間だと思われます。
ネガティブ感情の方が、私たちの心のことを教えてくれるのです。
↓↓↓ネガティブ感情が伝えたいこと
私たちは、ある出来事(試練)に直面し、それを解釈(認知)し、アラーム(感情)がなり、その感情に沿うような行動を起こします。
さて、この4つの要素の中で変化させられるのはどこでしょう。
それは、認知と行動です。
出来事は変えられませんし、その人その人の感情を操作して変化させるのは不可能でしょう。
怖いものが苦手な人に、呪いのビデオを観せたら、感情は恐怖で包まれ、1人でトイレに行くことすらできなくなります。
たとえばそこで、このビデオは全部偽物だと相手を説得できれば、恐怖心は薄まり行動にも変化が訪れるでしょう。
認知行動療法の大まかな原理はこうなっています。これだけなら誰でもできそうですが、もちろん人間の心はもっと複雑で、認知行動療法は専門家によって行われなければなりません。
考え方と行動を矯正すれば感情は変わり、身体的な変化、行動の変化をもたらします。
「夕飯の魚をあげるよりも、魚の釣り方を教えた方が良い」 by老子
気分障害の治療と言っても、投薬だけで済まされるものではありません。自分の問題に自分で向き合い、感情を、心を成長させなければならないのです。
認知行動療法は患者の心を俯瞰し、あくまでより良い方向へ導くだけ。
だから結局は患者が立ち向かわなければならない。
心の消毒のようなものです。
確かに痛い、染みる、でも効く。それが認知行動療法なのです。
最後に、、、
ポジティブ感情は対人関係の中で生まれると言いましたが、1人でポジティブ感情を生み出す方法があります。
それが、ドラッグです。
そう考えると、薬物依存症についてもわかってきます。
では今回はここまでにします。読んでいただいた方ありがとうございます