国立病院で教授と対談「幻覚剤」
本日4月2日、国立精神・神経医療研究センターを訪問しましたのでそのことを書こうと思います。
目的は2つありました。
①『彼岸の時間』著者の教授とお会いしてお話する(大学でお世話になっている教授です)
②脳科学的検査を受ける(前回が1月くらいでその続きです)
②については成人知能検査をひたすら受けただけなので、今回は①について詳しく書きます。
まず、教授と話した内容について
以前からメールでやり取りしていて、デキストロメトルファンによる幻覚体験含め私の近況について直に聞いてくださるということでした。
まず、教授はデキストロメトルファンのことを知らなかったようで、やはりこの物質がインターネット経由で知られてきたのはここ最近のことみたいです。
私の体験について話すと、その症状がケタミンに似ているとのことでした。
ケタミンは麻酔薬でもあり、日本では法規制されている麻薬でもあります。
神秘的な幻覚が引き起こした私の錯覚の感動はやはり幻覚剤特有のもので、さらに意識が飛び自分を客観視したまま他者と接することができた状態は離人症に類似しているとのことです。
この離人状態はケタミンでも引き起こされることから、ケタミンに近いと言ったようです。
確かに今考えれば、あの時は感覚が本当になくて、全身に麻酔を打たれたような状態でした。(なるほど)
そしてこういった幻覚剤の注意点もよく聞かされました。
幻覚剤は覚醒剤や鎮静剤などの麻薬と違って快楽目的のものではなく、自己の内面世界の探求や神秘的な体験を促す特殊なものです。
その目的が大きいからこそ、正しい知識をもって可能な限り安全な状態ですべきであり、精神に作用するということは自分では想定していなかったような悪い異変が起こる可能性も十分あります。
決して衝動的にやるべきものでも、乱用していいものでもありません。
そういった注意を受けた上で、幻覚剤の可能性についても話しました。
私が、DXMの幻覚により視野が広がり些細なことで悩まなくなり、精神的に良好な状態が続いていると言うと、それは幻覚剤が良い方向に働いた一例だと言われました。
幻覚による価値観人生観の変化は人間の精神状態に影響を与えます。
この影響が良い方向に働くと、うつ状態の改善に大きく役立ちます。
むしろ、デパスやコンサータのような即効性のある薬よりも根本的な治療に繋がっていると言えます。
しかし、必ずしも良い方向に働くとは限りません。
価値観人生観の変化により現実世界を生きることが困難になり統合失調症や自閉症スペクトラムなどを引き起こすこともあります。
バッドトリップでトラウマを植え付けられたらたまったもんじゃありません。
幻覚剤がうつ病に良いとも悪いとも言われる理由はここにあります。
最後に、ケタミンやマジックマッシュルーム、MDMAなどが規制されたのは歴史的にみれば最近のことですが、ケタミンはイギリスで抗うつ薬として最近使用され始めたようです。
麻薬を単純に規制するだけで終わらず、その有効利用が一歩進んだ証拠です。
私は麻薬を推奨しているわけではありませんが、それが薬物だからといってその可能性を潰されてしまうことには疑問を持っています。
日本でケタミンが処方薬として活用される日がくるかはわかりませんが、このまま認知度が広まりDXMやその他薬草などが安易に規制される前に、その潜在可能性、有効活用法、ガイドラインなどが整備され、麻薬、特に幻覚剤への認知が正しいものになることを祈りますし、自分にできることなら、麻薬が真に悪いものであろうが良いものであろうが、その真実を突き止めてみたいです。